今日は文を載せてみますね。
青い目をした猫を拾った。
体はうっすらとしたこげ茶で、鼻が桜色をしていた。
季節はもう夏だったけれど、猫の鼻はつい何ヶ月か前に散ってしまった桜を連想させた。
私と猫はいつも一緒だった。
雨の日も、風の日も、雪の日も。もちろん、晴れた日も。
雨の日は、家で一日中窓の外を眺めていた。
外で遊びたいと思う一方、窓に心地よい音を残していく雨音に耳を傾けつつ、曇った空をきれいだと思った。
風の日は、髪がなびくのも構わず外に出た。
スカートがひらりと広がり、このまま宙を飛べる気がした。花は花びらを風にのせ、宙を舞う。
花びらが舞う空を、きれいだと思った。
雪の日は、きれいな雪に足跡をつけた。どこまでも続く一面の銀世界に永遠さえ信じた。気づけば小さな埃が落ちてきた。降っては積もってゆく雪。
その宝石が輝く空を、きれいだと思った。
晴れの日は、家で日向ぼっこをしていた。
暖かくて、何処へも行きたくなくなるようなそんな気持ち。光りはまっすぐ差し込んできた。
暖かくて強い太陽が見守る空を、きれいだと思った。
いつも一緒だった。
約束はしなかったけれど、それが当たり前だと思ってたから。
けれど猫はいなくなった。
最初は気になんかしていなかった。猫は気まぐれだったから。
時々ふらっといなくなって、気がつけば現れる。
でも私が悲しいとき、必ずそばにいてくれた。
私が涙を流したとき、猫はおなかを貸してくれた。
そんな私を見て、猫は呆れたような、困ったような、びっくりしたような顔をして、その青い瞳でずっと私を見ててくれた。
猫は帰ってきた。
青い目を苦しそうに閉じて、冷たくなって。
雨の日が来た。
私は独りだった。
風の日が来た。
私は独りかもしれない。
雪の日が来た。
私は独りのはず。
晴れの日が来た。
私は・・・
本当に独りなのだろうか。
今でも手を伸ばせば、あなたはそこにいてくれる気がした。
優しい温もりがすぐそばにある気がした。
だけど
そこにあったのはあなたじゃない。
哀しい現実だった。
泣きたいのにあなたはそばにいてくれなかった。
私の好きな青い目で見つめていてくれなかった。
あなたは
帰ってこない。
失ってはじめて気づく、あなたへの想い。
どうやら遅すぎたようだ。
さよなら。青い目をした私の猫。
季節がめぐって、いろんな空を見た。どれもきれいだった。
ただ、猫の目の色をした空を、すごくすごくきれいだと思った。
おわり*
これは昨日、学校から帰ってきて暇だったときに下書きもせず書きなぐった詩というか物語というか。
猫を拾った私視点です。私視点は物事が主観で書けて楽です。
ちょっと謎な物語ですね・・・
でもこーゆーの嫌いじゃないです。
では、今日はこの辺で。
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